Predawn〜夜明け前〜
うぅ〜ん…
ここ?どこだ?
銀時は二日酔いで割れそうな額を押さえゆっくり目を開けた。
見慣れない派手な天井。
あぁ、そうだ全蔵への仮を返すためにぶすっ娘倶楽部を貸し切りにしてどんちゃん騒ぎしていたのだ。
アテテテ、、ちくしょうこれ接待だよねぇ?本当、あいつどういう趣味?
これ経費で落ちないかな?なんて言ったら新八にぶん殴られそうだしぃ。
あれ?そもそも経費なんてあったっけ。まぁいいよもう。
日輪からもらったサービス券でどこまで割引してもらえんだ?
ゆっくり起き上がり周囲を見渡すとひっくり返った杯、徳利、酒瓶やら食べかけのつまみやお茶遊びの残骸やら。
はーぁ色んな意味で地獄絵だな、コリャ
放置されたしけたポッキーを銜え、立ち上がろうとした。
その足下に何かあたった。
?
目の前のローテーブルの下を覗き込むと人影が
わっ!なんだ人居たの!いやいや、びびってないびっくりしただけ。
もう一度覗き込みよく観察してみる。
すーすーと酒臭い寝息が聞こえる。よくよくみると体を丸め、膝をかかえて眠る全蔵だった。
こいつ…
よくこんな狭いとこでよく熟睡できんな。
ちょっとおもしろいのでそぉっとローテーブルを持ち上げ高く掲げながらどけてみる。
すると幼虫のように丸まった状態の全蔵の全貌が現れた。
面白いものを見た気分だ。
残り物をつまみながら銀時はそのまましばらく全蔵の状態を眺めていた。
数分後
まだ気づかない。
おいおい、こいつ本当に忍び?無防備じゃね?
ちょっと近寄って顔を覗き込む。長い前髪は常に目を隠している。
そういえばこいつの顔の全貌見た事ねぇなぁ。
ぐっと息を堪えて覗き込み額の髪をふわりとよけてみる。
へぇ…
こんな顔してんだ…
銀時はニヤリとそばに転がっていたお茶遊びの残骸の筆をたぐり寄せた。
「起きねーからお前が負けな」
そういうと舌でちょっと筆先をねぶって考えた。
どーしよっかな?あ、まぁこいつと言えば…
全蔵の額に文字を書き始めた。
起きんなよぉ…
そおっとそおっと筆を運ぶ
さすがに違和感があったのだろう書き終わり間際に全蔵の眉間が揺れた。
「んっ……むぅっっ…うぅ…ん」
眉間に皺を寄せ、困ったような表情になる。
普段表情の見えない分その様子は新鮮で、なんというか、嗜虐心を煽る。
おー、やべやべ!ん?まだ平気?っておまっ「うぅん」なんて言っていいの小娘ぐらいだからね!
ん?なんか?何この気分、寝てるところにイタズラってこの状況、ドS心刺激するわ!
なんかちょっと…ムラムラします…あっー、朝だから。俺寝ぼけてるから。
銀時は放り出された0の並ぶ伝票をひっつかみそっと全蔵の顔面にのせ、その場を立ち去った。
「…」
(なんなんだ、あいつは)
全蔵は起きていた。わざと様子をうかがい起きなかったのだ。
狸寝入り。技の一つといってもいい。聞いてないふり、見てないふりをする技の一つだ。
なんだあいつ…人のデコばっかいじりやがって…
危うく狸寝入りが解けるとこだったぜ…。
しっかしヤベーよ。なんかムズムズするもん。
顔の上に載せられた伝票をどかしながら額に手を当てる。
っつうっ…と額から液体が垂れて来た。
おワッなんだこれ?墨汁?
あいつっっ!!なんか書きやがったな!
おでこ書く文字と言えば「肉」定説である。
あいつ!!俺がセメント☆星夜ファンだと知ってわざとギン肉マンの仕様にしやがったな?
急いで厠の鏡の前で髪を上げ確かめる。
「寿?」
(えっっ?なんで?なんで寿?俺なんかおめでたいヤツな感じ?)
その頃銀時は夜明けの道を歌舞伎町に向かい歩いていた。
ふんふ〜ん♪
(あいつ気づくかね?デコいつも隠してるから人からは指摘されないだろうから、
風呂はいるときぐらいじゃね?気がつくの。我ながら良い文字思いついたわ「痔」なんてな。)
思い出し笑いがこみ上げてくる。
鼻歌はますます軽快になり二日酔いの頭痛はいつの間にか消えていた。
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おにいたまエチャにて派生した全蔵いたずら書きネタです。
どなた様が最初におっしゃったのかわからなくなってしまいましたが元にさせていただきました。
痔って書かれてればいい!というのを寿?と見まつがいしました。眼鏡買うべき。
全蔵が悶える姿って萌えますね!!ニッ!
しっかし本当、素顔どんななんでしょう?一度変装とかでオールバックにして欲しい。変装なのに顔全開。
やっぱり目つきの悪い三白眼がいいです。
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