FIrst Contact 7
山崎君、君の視点から優秀な監察を一人推薦してくれ。
山崎は朝から松平のとっつぁんに呼び出され本部にいた。
用事も済み昼飯も奢ってもらい、帰る準備をしていた控え室で同じ組織の隊服を着た見慣れない男に声をかけられる。
(あれ…誰だっけ…隊長格の人物はわからないハズないんだけど)いぶかしげな表情をしていると
「フッ、そうか実際に対面するのはこれが初めてだ。僕はいつも君たちの活動記録や履歴書に目を通しているからすっかり会った事あるような気分になっていたよ」
(あ、もしかしてこの人が…)
「伊東参謀…?これは失礼しました。初めまして、監察の山崎です。山崎さが…」
「退くん、だろ」
「覚えてくださっているなんて…恐縮です」
といいつつ。
古参の監察で副長のすぐ下に置かれていれば目を付けられるのは当たり前で。
あることないこと色々調べられてんだろう。隊長格は個人情報読み放題だもんなぁ。
何かと噂に聞いていた参謀という人物にわずかな違和感を感じつつ。
「推薦って…僕なんかより色々ご存知なんでしょうから、僕からでなくても…」
嫌み半分で言い返してみる。
「監察なんてアンパン食って引きこもってるだけっすよ、伊東さん。他の人間の仕事ぶりまで観察する余裕ないですよ。」
「いや、実際、仕事していれば何かしら感じる事があるだろう。現場からの意見を聞きたい。」
むぅ…確かにその通りだけど…。
(というか冗談の一つでも笑ってくれよ俺バカみたいじゃん!アンパ○マンじゃん!)
「わかりました。一応確認をとらせていただきます。まぁ鬼の副長のもとにいるくらいなら
みな喜んで伊東参謀の元で監察をしたがるでしょうから」
ふっと目線を下げると、伊東の黒い隊服の肘部分内側が白く毛羽だっている。
なんだ?あれ
「伊東さん?ちょっと腕の内側、何かついてません?」
「?」
近寄ってつまんでみると細い毛が集まった毛玉だった。これ…たぶん猫の毛だ…
「あぁ…そういえば今朝…」
今朝って!!もう午後じゃん!午前中ずっとくっつけてたのこの人ぉぉ!!!
おい誰か突っ込んでやれよぉ!隊服、黒なんだからさぁぁ!!!
山崎は心の中で叫びながら
「ガムテもってきますね、ちょっと待っていてください」
「その必要はない」
おもむろに内ポケットから携帯用エチケットブラシを取り出し毛羽立った部分をなでる。
そして何事もなかったようにブラシを内ポケットにしまいながら
「よい報告を待っているよ」
とだけ残し伊東は去って行った。
つっこみ役でも欲しいのかな…。
いや、そんな単純な話でもあるまい。
…なんか面倒くせぇ。仕事がまた増えるなぁ。
なんとなくもやもやした気持ちを引きづりながら屯所への帰り道を急いだ。
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っとそこで進んで伊東参謀の監察に立候補したのが、篠原君だったのでしたー。
なーんて妄想です。新参者でありながら…ってどれくらいの期間なんだろうな。1,2年ぐらいかな。
それともヘッドハンティング的ななにかでやって来たんだろうか伊東先生は。
だとしたら期間が短くても納得です。
先生、エチケットブラシ常備していそうですがたまに逆なでしてほこりびっしり!!ついてればいいと思う。
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