Friday midnight blue 4
じゃ旦那、お疲れ様です。桜田通り出ればすぐタク拾えますよ。
テーブルに突っ伏した土方を後目に山崎は金時を店の前まで見送りに出てくれた。
ごちそうさまーいやぁごめんね無理いちゃって。まかないうまかったわー。
飯代いいの?遠慮なくおごってもらっちゃうよ?
うっすら赤ら顔の金時に背中をばんばん叩かれる。
上機嫌だ。
いえいえっ、ていうか旦那、遠慮なんてあったんですか?
ジミー君言いすぎ。金さんずばっと言われると傷つくタイプよぉ。
…それより、あのコックさん大丈夫なの?ここでお泊りフラグ?
あー…。土方さんは俺が送っていきます。これ乗って帰るんで
と脇に置いてあるフュージョンに目がとまる。
(へぇ、フュージョンねぇ。でもこいつ酒飲んでなかったっけ?)
フュージョンかぁずいぶんクラッシックなタイプ?
だけどジミー君のイメージじゃないよねぇ。
しかし結構飲んでた気がするけど大丈夫なの?捕まったら一発免停レベルじゃない?
えぇ。あー俺ザルなんで運転には問題ないですけど、検問は運ですよね。
フュージョンが似合わないのは自覚してますよ。
材料運ぶときに便利なんでのってるぐらいですかね。
あとたまにこうやって土方さん送るときに。
ふぅん
世話焼かれてんなぁ。
胸のうちがわにぐわりと何かこみ上げる。
でもほっとけないのはなんかわかる。
店でみてるとすごくしっかりしているのはわかる。
でもたまに垣間見えるすこし抜けた部分、鍵忘れてたり、ああして酔いつぶれてたり
なんか危うさみたいなのも感じる。なんだそれが色気か。
あいつもてんだろうなぁ
と
乗り込んだタクシーの中で赤いテールランプをぼんやり眺めながら思った。
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